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-特別講議- Special Lecture


受賞演題 Back Number


■紡錘体が受精に及ぼす影響

浅田レディースクリニック 浅田生殖医療研究所
北坂浩也
福永憲隆・永井利佳・吉村友邦・糸井史陽・田村総子・北村久美子
長谷川望・森下佳世子・加藤道高・中山要・浅野恵美子
園原めぐみ・立木都・東光子・守谷陽子・山本恵・各務好美・清水幸子
佐野美保・羽柴良樹・浅田義正
URL:http://www.ivf-asada.jp/

【目的】
最近の研究により、第一極体放出確認(MⅡ卵子)のみではICSIを行うタイミングの指標として不十分であるとの報告がある。そこで、我々は紡錘体に着目し可視化するシステム(OosightTM Imaging System:OIS)を用いてMⅡ卵子を観察し、紡錘体が不可視であった卵子の追加培養による紡錘体の出現と受精・発生について解析を行った。また、不受精卵子をOISで観察することにより紡錘体がどのような状態であるかを解析し、ICSI直前の紡錘体との相関および不受精の原因を前方視的に検討した。

【対象・方法】
検討1)2008年2月から2008年7月までの期間に採卵を行った294症例362周期のうちICSI適応のMⅡ卵子2632個を対象とした。卵丘細胞除去直後に紡錘体の存在を確認し、可視の場合は即座に紡錘体を避けるようにICSIを施行した。不可視の場合は、そのままICSIを施行した群と1時間後の再観察後にICSIを施行した群に分けた。 検討2)2008年11月から2009年3月までの期間にMⅡ卵子の紡錘体を観察後にICSIを施行し、Day1観察時に前核を認めなかった25症例30周期46個を対象とした。前核を認めなかった不受精卵子をOISを用いて再度観察し、細胞質内の紡錘体と精子核の存在や形態を解析した。形態は紡錘体の状態により2個可視であった卵子(A)、1個可視であった卵子(B)、不可視であった卵子(C)の三つに分類した。

【結果】
検討1)卵丘細胞除去直後の紡錘体可視率は82.1%であった。不可視であった卵子の1時間後の再観察による紡錘体の出現率は49.7%であった。図1に示すとおり、正常受精率は可視卵と再観察での可視卵において有意に高い値であった(p<0.01)。 検討2)表1に示すとおり、追加培養の有無に関わらず紡錘体が可視であることでAの割合が高くなり、不可視である事でCの割合が高くなったことにより、ICSI直前の紡錘体の状態と不受精卵子の紡錘体の状態には相関が認められた。

【考察】
卵丘細胞除去直後に紡錘体を観察し、不可視であった卵子を追加培養することで受精率の向上が図れた。不受精卵子の解析については、Aの状態は、卵子由来・精子由来のそれぞれの紡錘体が存在していると考えられる。このような卵子が得られた際には、受精の時期は適切であったが卵子の活性化に異常があったと思われる。よって、次周期を行った際には電気刺激や化学的活性化などの人為的活性化刺激が必要であると考えられる。以上より、紡錘体が受精に及ぼす影響は非常に大きく、臨床において紡錘体を観察することは受精率の向上や次周期を行った際の治療方針の決定に有効であると思われる。

図1

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